一つの川がある。その流れは神の都を喜ばせ、いと高き者の聖なるすまいを喜ばせる。神がその中におられるので、都はゆるがない。神は朝はやく、これを助けられる。(詩篇46:4-5)
すなわち知る、神は大風を使いたもうも、大風の如きものにあらぎることを。裂きて砕くは彼の喜びたもうところにあらず。彼はまた地震の如きものにあらず。 震(ふる)いて恐れしむるは彼の好みたもうところにあらず。工ホバはまた火の如き者にあらず。焼きて尽(つ)くすは彼の求めたもうところにあらず。彼は静粛を愛したもう。彼の宝座(くらい)は万有静寂の中にあり。彼の声は洪波(こうは)のごとくならず、細流の如し。彼はほえたまわず。ささやきたもう。静粛の中に細き声を聞きて、われらはそのまことに神の声なるを知るなり。
(一日一生 内村鑑三)