Balten Seijin の今日のひとこと

いくつかの霊想書の中からその日のお気に入りを載せます

恵みを呼ぶための中間物

 恩恵はただちに来るものではない、 困難をとおして来るものである。困難は恩恵(めぐみ) を身に呼ぶための中間物である。燃料なくしては火がないように、困難がなくして信仰も歓喜(よろこび)もない。火に先き立つものは煙である。信仰に先き立つものは疑懼(おそれ)である。煩悶である。 これありて、これに天よりの火がうつりて、はじめて天よりの平安(やすき) と喜楽とがわれらの心にきたるのである。困難を経ずして深き信仰をえんとするは、ます煙を見すして火と暖とをえんとするがごとくである。

 

(一日一生 内村鑑三