Balten Seijin の今日のひとこと

いくつかの霊想書の中からその日のお気に入りを載せます

愛する者の死

 大切な友や深く愛していた人を失った時、私たちは、長い間感情が麻痺してしまうような深い悲しみの内に置き去りにされてしまいます。私たちが愛している人々は、私たちの一部分になっています。私たちの考え、感情、振る舞いは、彼らの影響を深く受けています。父、母、夫、妻、恋人、子どもたち、友人たち、これらの人々はみな私たちの心の中に生きているからです。彼らが死ぬ時、私たちの一部分もまた一緒に死ぬのです。それが、悲しみということです。つまり私たちの深みで自分の親しい一部分となっていた人と、時間をかけ痛みを感じつつ別れていくことなのです。クリスマスやお正月、誕生日や命日のたびに、私たちは愛する友がもはやいないのだということを深く味わいます。愛する人に私たちの心があますところなく別れを告げ、離別の悲しみが引く潮のように遠ざかるのに、時に丸一年あるいはそれ以上の年月を要します。けれども、亡くなった人々を私たちのもとから真に旅立たせる時、これらの人々は私たちの一員(member)になります。私たちが亡くなった人々を思い起こす (re-member) 時、彼らは私たちの霊の旅路の道案内となってくれるでしょう。

 

(今日のパン、明日の糧 ヘンリ・ナウエン)