Balten Seijin の今日のひとこと

いくつかの霊想書の中からその日のお気に入りを載せます

一人一人の愛の戦い

 もし、 主イエスが弟子たちに自分と一緒に死ぬことをお求めになり、 一緒に死ぬことが新しいイスラエルの未来を開くことになると教えておられたなら、ペテロをはじめとする弟子たちは剣をもって戦い、最後には全員主イエスと共に殺されたであろう。
 革命的、あるいは、宗教的ロマンチシズムと言えば聞こえは良いかもしれないが、 そこにあるのは自らと他を滅ぼす狂気である。
 弟子たちは、主イエス逮捕の時が近づいている危機感から、この狂気に走ろうとしていた。そのような弟子たちを見て、主イエスは、彼らが逃げていくこと、主イエスを否定することは神のご計画だとお語りになり、彼らがこの狂気に陥らないよう彼らを押し止められた。
 宗教的狂気に陥って自分と他者を破壊することと、愛する者のために自らの命を捨てること、そこには天地を隔てるほどの違いがある。
 主イエスは、深い愛の洞察によって自らを十字架に献げ、悪魔との戦いに勝利してくださった。しかし、それは主イエスだけがなし得る、主イエスお一人の戦いであったのである。
 弟子たちにも、私たち一人一人にも、それぞれが戦わなければならない愛の戦いがある。それは、愛する者のために自らを捨てる生涯を歩む戦いだ。主イエスは、私たち一人一人がこの愛に生きることを求めておられる。盲信的に生きることでも、狂信的に生きることでもない。

(366日元気が出る聖書のことば 岩本遠億)