Balten Seijin の今日のひとこと

いくつかの霊想書の中からその日のお気に入りを載せます

父の涙

 放蕩息子の物語に出てくる父親は、大変苦しみました。下の息子が落胆し、人々からは嫌われ、ひどい目に遭うようになることを知りながらも、父親は彼が去って行くのを見送ったのでした。父親はまた、上の息子が怒りによって憎悪を深めるのを目の当たりにしました。そんな上の息子に対し、父親は愛情と支えを与えられませんでした。父親の人生の大部分は、待つことに費やされました。父親には、むりやり弟の方を家に連れ戻すことも、兄に怒りを手放すよう強制することもできませんでした。二人の意志によってしか帰郷は実現しなかったのです
このように長い年月待っている間に、父親はたくさんの涙を流し、何度も死にました。苦しみで、父親は空っぽになってしまいました。しかし、そうして空っぽになってしまったことで、二人の息子が戻ることになった時、息子たちを迎える場所を作ることができたのです。私たちは、そのような父親となるように呼びかけられています。

 

(今日のパン、明日の糧  ヘンリ・ナウエン)